最近、バスフィッシングをされる方から『海の釣りにも興味があるんだけど、所有しているガーミン魚探ってそのまま使えるの?』というお問い合わせをいただくことが増えました。
バスボートに装着されている方が海で使用する場合は最低でも電源コードと振動子は別途、購入する必要があり、『海で使用する振動子は何が良いですか?』というお問い合わせをいただきます。初めて海用の魚探の購入を検討されている方からも同様のお問い合わせが多いです。
レンタルボートで使用されている方からは『持っている振動子がそのまま使えますか?』というお問い合わせが多いです。
そこでラインナップの多いガーミン魚探の振動子のうち代表的なオールインワン振動子の海での実力を南房総にて確認してきました。
まず、魚群探知機(振動子)の基本の確認です。魚群探知機の写りは振動子の発信出力と音波の周波数で変わってきます。大まかな特徴は以下の通りです。
- 発信出力が高いほど深い(遠い)ところに音波が届く
- 低周波(水色)は高周波(赤色)より探査範囲が広い(広範囲を把握できる)
- 低周波(水色)は音波の減衰が少なく、深い場所まで届く
- 高周波(赤色)は低周波(水色)より探査範囲が狭い(ピンポイントを探査できる)
- 高周波(赤色)は音波が減衰しやすく、深い場所まで届きにくい
サイドビューの表示理論を知っておく事も大事です。音波は振動子から横方向へ発射されますので、深くなるほど音波が届かない死角が増えて、湖底が映り出す距離が遠くなります。左右それぞれに水深分の死角となります。正しくサイドビューを表示させるには一定のアイドリングスピードで真っ直ぐ進むことで、湖底が画像として映し出されます。
大まかなの特性を踏まえ、それぞれの振動子の特徴を理解して振動子を選定することが第一のポイントになります。
次に魚探画面に表示される形式は下記の通り、3種類があります。
1.水深・海底の変化・海底の硬さ・魚群の有無を表示できるいわゆる2D
2.水深・海底の変化・魚群の有無を写真描写で映し出すクリアービュー
3.ボートの横方向の海底の変化や魚群の有無を写真描写で映し出すサイドビュー
これら3種類のうち、どの表示形式に興味があるのかが第二のポイントになります。
今回は2D・クリアビュー・サイドビューが表示できるオールインワン振動子を振動子ポールに取り付けてボートのトランサムに設置してアイドリングスピードでテストしました。
◆テストの条件
テストした振動子以下の3種類です。
テストに使用した魚探本体は以下の通りです。
テスト方法は船外機コントロールボックスを前進に入れただけで進むアイドリング状態で浅場⇔深場を探査しました。
◆各振動子のスペック
それぞれの機種の特徴とスペックは下記となります。
◆GT51M-TM◆
海での使用される一番人気のオールインワン振動子です。高出力の低周波発信できる振動子で深場まで探査可能です。260khzのサイドビューは広範囲をスキャン可能です。
- 2D魚探:出力600W、160~80khzのチャープ発信
- クリアビュー及びサイドビュー:発信出力500W、260khz/455khzのチャープ発信
◆GT52HW-TM◆
オールインワン振動子の最安モデル。200khz魚探と455khzサイドビューでバランスの取れたエントリーモデルになります。
- 2D魚探:発信出力250W、150~240khzのチャープ発信
- クリアビュー・サイドビュー:発信出力350W、455khz/800khzのチャープ発信
◆GT56UHD-TM◆
バスフィッシングで使用される一番人気の振動子です。1000khzと455khz2周波サイドビューで高画質サイドビューと通常サイドビューの切替えが可能です。
- 2D魚探:発信出力350W、150~240khzのチャープ発信
- クリアビュー・サイドビュー:発信出力500W、455khz/800khz/1000khzのチャープ発信
2Dおよびクリアビューの画像
◆GT51M-TM◆
最初に2D。発信出力600Wで低周波帯の100kz中心のミドルチャープ発信で深場を探査できる仕様なので300mオーバーでもボトムを測位してますね。
次にクリアビュー。周波数はクリアビューで設定できる最も低周波帯である260khzチャープに設定しました。比較用に左側に2D映像も表示させました。
深いほうから浅いほうにボートを進めていくと水深200mぐらいから反応が見られ、120mより浅いところではボトムの反応(オレンジ色)がしっかり映るようになります。従って、実用水深が200m前後、詳細な情報を得るには120mより浅いエリアで利用するのがお勧めです。
◆GT52HW-TM◆
最初に2D。GT52HW-TMの2Dは出力が250Wと低く、低周波帯とは言えない200khzのチャープ発信なので110m前後からボトムの写りが弱くなりだしています。今回のテストでは測深できるのは130m前後までで150m前後ではロストを繰り返しました。
次にクリアビュー。出力350Wで周波数はクリアビューで設定できる最も低い455khzでテストしました。
水深150m前後ぐらいまでは反応が見られ、90m前後まではボトムの反応(オレンジ色)がしっかり映ってます。従って、実用水深が150m前後、詳細な情報を得るには90mより浅いエリアで利用するのがお勧めです。
※GT56UHDの2D・クリアビューはGT52HW-TMとほぼ同じスペックなので省略します。
サイドビューの画像
◆GT51M-TM◆
水深33mのエリアをサイドビューでスキャンしてみました。周波数はクリアビューで設定できる最も低周波帯である260khzチャープに設定しました。
ボートの片側150mほどの範囲をスキャンできており、青丸部に写ってるのは魚礁だと思われます。ボート左舷側70から130mに点在していることがわかります。初めてのエリアでも、広範囲にインビジブルストラクチャーを探査できるサイドビューは広大な海での釣りでは大きな武器になりますね。
◆GT52HW-TM◆
同じく水深33mのエリアをサイドビューでスキャンしてみました。周波数はサイドビューで設定できる最も低い455khzでテストしました。
60mを超えると減衰して映像が暗くなってますね。
◆GT56UHD-TM◆
発信出力350WのGT56UHD-TMは発信出力250WのGT52HW-TMより出力が強いので探査範囲が若干広がりますが、周波数はサイドビューで設定できる最も低い455khzなのでGT52HW-TMと同様です。
サイドビューと同じ455khzのダウンビューでしっかり反応があるのが90m前後ですから道理で言えば90m前後より浅くないとハッキリとした反応は得られません。実際に70m付近を探査してみると20mの範囲も映し出すことができませんでした。
※内水面で1000khzという高周波帯のサイドビューに絞ったテストは下記のリンクをご参照ください。
参照ブログ:http://www.heartsmarine.com/202101/20211.html
まとめ
今回のテスト結果をまとめますと以下の通りになります。
★バスフィッシングで使われるGT52HW-TMやGT56UHD-TMを流用するなら2Dであれば水深130mより浅いエリアであればサーチ可能。ダウンビューは最深で150m前後、能力を最大限生かすなら90mより浅いエリア、サイドビューは最深で70m前後、能力を最大限生かすなら水深40mより浅いエリアが望ましい。
★海用の振動子であるGT51M-TMなら2Dであれば300m以深をサーチ可能。ダウンビューは最深で200m前後、能力を最大限生かすなら120mより浅いエリア、サイドビューは最深で100m前後、能力を最大限生かすなら60mより浅いエリアが望ましい。
★海用の振動子で価格を抑えるならチャープ発信のサイド・ダウンビューと通常発信2Dのオールインワン振動子のGT41M-TM、サイドビューは見ないのならチャープ発信のダウビューと通常発信2Dが使えるGT20-TMやGT21-TMがお勧めです。
※ 振動子の設置方法や設置場所・ボートのスピード・塩分濃度などで写り方や探査範囲は大きく変わります。あくまで参考としてご理解ください。
おまけ
沖で魚探のフィッシュマークの機能を確認していたところ、突如中層に大きな群れが映し出されました。2D魚探では右側の映像になります。
すかさず、念のために持参したタックルで狙ってみたところバイト!釣れたのはサバでした。初めて行ったエリアで魚を手にすることができる!魚探があるのとないのとでは全然違いますね。
海におけるガーミン魚探振動子の実力はいかがだったでしょうか?
ガーミン魚探には目的に応じて様々な振動子がラインナップされています。当店ではお客様のご要望に合わせて、魚探本体と振動子のご提案が可能です。ガーミン魚探をご検討の方は、ハーツファインダー高橋(TEL:090-3470-1858)またはハーツカスタムの秋葉(TEL:080-4119-8802)までお気軽にご連絡ください!
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