このアンテナは日本の準天頂衛星システム「みちびき」(以下QZSS)のL1とL5を受信可能で、測位精度の向上が期待される注目の新製品です。
検証方法は、以前に実施したローランス対応のQZSS受信対応アンテナIKKI-QZの検証と同じ条件としました。
比較するアンテナの仕様・スペックは以下の通りです。
- 魚探内蔵アンテナ(GPSMAP922xs):10Hz受送信、SBAS(MTSAT)補正対応
- QZH-9AX:10Hz受送信、SBAS(MTSAT)補正対応、9軸ヘディングセンサー内蔵
- GPS24xd:10Hz受送信、SBAS(MTSAT)補正対応、QZSS受信対応(L1・L5)、ヘディングセンサー内蔵、コンパス内蔵
検証その1.定点での位置情報の安定度
アンテナが違うガーミン魚探を並べ、1時間静置状態での位置情報の安定度を航跡の振れで確認してみました。
内蔵アンテナ
停止してるにも関わらず航跡が大きくブレており、5m以上の位置情報のズレが発生してます。
QZH-9AX
内蔵アンテナに比べ航跡のブレが小さいですが、3m弱程のズレが発生してます。
GPS 24xd
他のアンテナに比べ、位置情報にまったくブレが無いことがわかります。
検証その2.移動時の測位性能
ガーミン魚探を3台積んだデモ艇(台車)を、まっすぐに引かれた20mのラインに沿ってゆっくり移動させ、航跡の状態を確認しました。
内蔵アンテナ
予想以上に真っすぐな航跡ですが、スピードが変わるスタート時とストップ時に位置情報が振れて航跡が動いてしまってます。
QZH-9AX
内蔵アンテナに比べると航跡のブレが小さく、真っすぐ航跡が書き込まれてます。
GPS 24xd
QZH-9AX同様、位置情報にブレが無いことがわかります。
検証その3.ウェイポイントへ再進入する時の測位精度
以上の検証結果から、GPS24xdはQZSS(L1・L5)を受信することで今まで以上の測位精度が期待できることが判りました。準天頂衛星「みちびき」は自船の真上から衛星を受信しやすくなるので、切り立った崖沿いやリザーバーの谷間でも高精度な測位が期待できます。
また、GPS24xdの特徴として、NMEA2000とNMEA0183という2種類の接続方式があります。ご自身のGPS魚探のネットワーク接続環境に応じて、最適なモデルを選べるのも嬉しいですね。NMEA2000は世界的な統一マリン規格で、他社の魚探にもNMEA2000入力端子を備えてるモデルが多くあるので他社のGPS魚探への利用も考えられますね。
尚、今回のテストで比較したQZH-9AXとGPS24xdは共にヘディングセンサーを内蔵していますが、ボートが揺れやすい海などでは9軸ヘディングセンサーを内蔵しているQZH-9AXのほうが使い勝手が良いこともありますので使用する環境によってGPS24xdとQZH-9AXを使い分けるのが良いと思います。
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