ミンコタのウルトレックスに追い付け追い越せと言わんばかりに各社から発表されたトローリングモーター。ガーミンの「FORCE(フォース)」の次に発売されたのが、ローランスのトローリングモーターGHOST(ゴースト)です。
昨年末、当店のデモ機となるGHOST(ゴースト)を入手しましたのでいろいろとお伝えしたいと思います。前編は仕様のご紹介です。
1.ラインアップ
GHOST(ゴースト)はFORCE(フォース)同様、24Vでも36Vでも使える仕様になっています。公表されている出力は24Vの時が97Lb、36Vの時が120Lbで従来のエレキと比べて大幅にUPしてます。発売されたのはシャフト長47インチの一種類。今後、57インチと60インチが追加される予定です。
2.サイズ
シャフト長は47インチとなっていますが、どこが47インチなのかハッキリしないので他社のエレキも含めてモーターがマウントにしっかり収まるところで一番下まで下げた状態で実測してみました。
結果は写真のようにマウントの中央からモーターの付け根までを測定したところ、意外なことにどのメーカーも約102cm(40インチ)でした。
※【2020/01/20追記】上記寸法はマウント中央より下の長さが一緒だったということでマウント中央より上部の長さには違いがあります。
3.マウント
GHOST(ゴースト)のマウントには『デュアルアクションガススプリング』と称したダンパーが装備されてます。また、FORCE(フォース)同様、エレキを上げる際にはモーターの収納角度を自動で修正してくれるのでペダルでモーターの角度を調整することなく、簡単に上げる事ができます。
シャフトの高さはマウント上部にあるドアノブで調整します。ドアノブはボート内側に向いているので身を乗り出して調整する必要がないのはありがたいですね。
本体との取り付けはウルトレックスがボルト1本に対してGHOST(ゴースト)はボルト2本。一人でも作業できるレベルです。
マウントはメタル製で剛性は高いと思います。『360°ブレイクアウェイマウント』と称した360°全方向からの衝撃を吸収できるよう設計されています。
4.ヘッド
GHOST(ゴースト)はヘッドに駆動モーターが内蔵されていているので他メーカーのようにヘッド自体がクルクルと回ることがありません。向いている方向は青色のインジケーターで確認します。シャフトもインナー・アウターに分かれているので見た目は従来のエレキそのもの。違和感なく操作できます。
また、ヘッドには爪があって降ろす時には昇降用のケーブルを引っ掛けると力が入れやすくなります。
5.モーター
GHOST(ゴースト)のモーターはFORCE(フォース)同様、ブラシレスモーターです。ブラシレスモーターは高効率で動作音が静かなのが特徴です。エレキを踏んだ時に魚探画面に現れるノイズに悩まされた方が多いと思いますが、GHOST(ゴースト)はブラシレスモーターなので干渉する要素がありません。
GHOST(ゴースト)のモーターには標準で9ピンのHDI振動子が内蔵されています。現行モデルのHDS LIVEシリーズ・Elite Ti2シリーズはもちろん、今まで販売されていた9ピン仕様のHDS・Eliteシリーズと接続することでノイズのないダウンイメージと2Dカラー画像が見ることができます。
また、今春には発売が予定されているアクティブイメージング3in1振動子ノーズコーンと交換することで、より精細となったサイドイメージを見ることができるようになります。
ノーズコーンは『プラグアンドプレイローランスソナー』と称した六角ボルト一本で脱着する仕様になっているので交換が簡単。振動子のケーブルも簡単に脱着できる仕様になっています。
GHOST(ゴースト)には2枚ブレードプロペラが標準装備されています。ウルトレックスに比べるとブレード面積がちょっとだけ小さいかな!?ぐらい大きさです。
6. べダル
GHOST(ゴースト)は『フライバイワイヤステアリング』と称した機能によりフットペダルとエレキ本体との間には駆動用のワイヤーケーブルがありません。なのでケーブル切れやプーリーからの脱落などのトラブルのリスクが排除されています。
ペダルの大きさは長さ30cm×幅21cmなのでほとんどのオフセットトレーに収まる大きさとなってます。水平にした状態でのペダルの高さはつま先側が12cm、かかと側が15cmです。
他メーカーにはない特徴なのが『フリップスイッチ』と称したスイッチを左右どちらにでも移動できる機能。フットペダルにあるLOWRANCEロゴのパーツを外して二本のネジを外すだけで簡単にスイッチを左右入れ替えることができます。
GHOST(ゴースト)にはフットペダルの踏み心地を調整する機能はありませんが、踏み心地はワイヤーケーブルのそれとほぼ変わらず。違和感なく踏めます。
フットペダルにはスイッチが付いていてバッテリーを接続した後は必ずONを押す必要があります。24Vと36Vは自動で認識、通電するとランプが青く光ります。また、バッテリーのインジケーターも付いています。
7.魚探との連携
GHOST(ゴースト)とローランス魚探との接続はNMEA2000ネットワークで行います。ネットワークできるのはHDS LIVEシリーズ・HDS Carbonシリーズ・Elite Ti2シリーズで魚探側での設定でフットペダルにあるスイッチでウェイポイントが入力できたり、パワーポールの操作ができるようになります。